damegakusei's diary

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プリンセス・プリンシパル劇場版 クラウンハンドラー 感想

前回に引き続き劇場版の感想をば

 

 都内某所の劇場で視聴しました。200席ほどの大きな箱で見れたのもよかったです。作画・脚本ともに上々でもっと観たい、やっぱり尺が足りない…

 ネタバレありです。

 

 今回の話は王室内の連絡役、侍従長のビショップを探るお話です。作品内でも説明があったとおり、王室内スタッフの総元締め、いわば総務部長にあたるお方です。王室の対外関係も取りまとめているとなると、広報も司っているわけなので、その権力はかなり強力なんですね。そんな人物が長年スパイだったということは、王国内に潜伏する他のスパイの数は相当いそうです。

 話の展開としては、核心的な秘密を抱えたビショップとプリンセス、アンジェの再開と別れの話でありました。彼らの絆は、スパイという立場において非常に脆く、騙し騙されの関係でした。しかし、雌雄の決した後に彼らのわだかまりは溶け、見送りと出立にて幕切れとなります。

 全編を通じてビショップとアンジェ、プリンセスのやり取りは丁寧に描かれており、複雑な心理描写が巧みに表現されておりました。こと映画における会話というのは、取引という側面が強くなります。ビショップは多くの場面で、「これ以上嗅ぎ回るな、秘密を暴露するぞ」と脅しをかけ、アンジェは「二重スパイだろ、正体表せや」と圧力を加えます。

 後半までは、ビショップが優位に立ち続けていましたが、アンジェの揺動が功を奏しとうとう尻尾を掴むことに成功します。ここからのシーンが本作品の真骨頂です。肩の荷が降りたビショップがするプリンセスとの会話、続くアンジェとのチェスシーンは、去りゆく老兵の晴れ渡った胸中を見せてくれました。

 これからの時代を担う若者への称賛と手向け、人生をかけた仕事を辞める寂しいような嬉しいような心境、最期の後悔と警告。

 

 あれ、これJKスパイモノだっけ…? ロートルの引退、最高でした…

 

 アニメでの感想で書いた世界観やゴールについては、まだまだこれからといった形。「壁」のカットが一瞬映り、かなりの高さがあることが描写されていました。なお、第三国の登場が仄めかされました。そして、女王の健康状態は悪化しているようで、王位継承についても話は進みそうな気配です。しかしながら、プリンセス以外の王位継承者は描写されていません。焦らしすぎだろ… あとノルマンディー公、一気に悪役じゃなくなってきたな

 次は劇伴について。アニメ版で印象的だった「shadows and fog」。劇場で奏でられる本曲は素晴らしいですね。セリフを邪魔しないにも関わらず存在感を発揮していました。

 私が一番聞いてほしいのは、中盤のチェスシーンで流れる、チェンバロから始まる曲です。宮廷音楽の雰囲気を漂わせながら奏でられますが、チェスが白熱するにつれ緊張感を煽る曲になっており、とても効果的でした。正直チェンバロの音色が聞こえた瞬間驚きましたね。まさか、アニメの劇伴でこの楽器が使われるとは。クオリテイも高く、梶浦由記の引き出しには本当に驚かされます。

 あと目を引いたシーンは序盤の脱獄シーンです。本当に細かいのですが、アンジェたちが脱獄したあと、衛兵が警笛をならし車で門をくぐる瞬間。本当に一瞬なんですけど、車が門にぶつかるんです。別に話の筋になんの関係もないのですが、わざわざ細かい描写を入れていることで、制作陣の気持ちの入れ方を垣間見れました。

 クオリティの高さはアニメ版から引き続き非常に高かったです。話もまだまだこれからで期待に胸が膨らみます。もっと曇らせて… もっともっと、非情な選択を突きつけて欲しい…

 公開初日の都内劇場はいずれも8割方席が埋まっていたようです。今週末もまだまだ混雑が予測されますが、いつまで公開が続くかはわかりません。なるべく早めの観劇をおすすめしたいですが、難しい状況ですので、可能な方は是非お願いします。

 最期に予告PVを貼り付けておわります。(アニメ版ネタバレ含む)ではまた~

 

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